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血管不全の生理学的診断基準
Hypertension Volume 72(5) . 2018年10月1日発行 https://www.ahajournals.org/doi/10.1161/HYPERTENSIONAHA.118.11554?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%20%200pubmed
臨床の場で広く普及している血管内皮および血管平滑筋の機能を簡便に測定するための生理学的検査(FMD,RH-PAT,PWV,CAVI)で血管不全を診断するための基準値が提案されています。
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FMD測定に関するガイドブック
日本血管不全学会. 2010年5月24日発行 https://jsvf.org/wp-content/uploads/2022/09/B2-20100524-FMD-guidebook.pdf
FMD多施設共同研究(FMD-J)においてFMD測定マニュアル委員会が作成した資料です。FMD-Jは、動脈硬化性心血管疾患診療指標としてFMDの有用性の確立を研究課題とした多施設共同の臨床研究です。本ガイドブックではFMD測定時の手技の統一化、精度の維持、再現性の確認を目的とし、測定条件、測定方法、鮮明な血管径を描出するコツなどが記載されています。
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高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)
日本高血圧学会. 2019年4月25日発行 https://www.jpnsh.jp/guideline.html
「高血圧治療ガイドライン」は、日本高血圧学会より発表され、すべての医療者に対し高血圧患者における脳心血管病などの高血圧合併症の発症を予防し、その進行を抑制するための標準的な診療を示したものになります。
2019年4月に改訂版が発行され、改訂版では、すべての人によい生活習慣を励行していただくことの重要性を強調しています。また、多くの臨床研究について幅広く見直して、病態に合わせた治療目標血圧や治療の有用性などについて、根拠のある解説を記載しています。高血圧性臓器障害の診断評価の一つとしてFMDが紹介されています。
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動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
日本動脈硬化学会. 2022年7月4日発行 https://www.j-athero.org/jp/jas_gl2022/
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン」は、日本動脈硬化学会より発表され、動脈硬化のリスクを包括的に管理することで、動脈硬化性疾患の予防を目指し、健康寿命の延伸を達成することを目的としています。5年ごとに改定が実施され、2022年版では随時のトリグリセライドの基準値の設定、動脈硬化性疾患の絶対リスク評価手法として冠動脈疾患とアテローム血栓性脳梗塞を合わせた動脈硬化性疾患の発症確率を予測するスコアの採用などが内容追加されています。臨床診断のひとつとしてFMDが紹介されています。
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2021年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン
日本循環器学会、日本心臓リハビリテーション学会. 2021年3月27日発行 https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/JCS2021_Makita.pdf
本ガイドラインは心臓リハビリテーションに関する日常診療における適切な診断と治療を補助することを目的とし、病気の予防・診断・治療・予後予測など診療の根拠や手順についての最新情報を分かりやすくまとめた指針です。2012年以降約8年ぶりの改訂となり、主な改訂事項としては①運動療法以外の重要項目として、栄養と食事療法、患者教育と疾病管理の項目を追加 ②サルコペニア、フレイルへの言及 ③対象疾患として心不全を挙げ、TAVI術後やデバイス植込み後のリハビリテーション、肺高血圧症や大動脈ステントグラフト内挿術後のリハビリテーションの追加 ④高齢心疾患患者を独立項目とし、静注強心薬投与中のリハビリテーション、補助人工心臓装着後や心臓移植後のリハビリテーションについて書き換え ⑤回復期での心臓リハビリテーションのあり方、在宅医療・地域包括ケア・緩和ケアとの関わりおよび遠隔医療の項目追加 が挙げられます。また運動療法の治療効果確認として血管内皮機能の評価が言及されています。
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2023 年改訂版 循環器領域における睡眠呼吸障害の診断・治療に関するガイドライン
日本循環器学会. 2023年3月11日発行 https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/03/JCS2023_kasai.pdf
睡眠呼吸障害(sleep disordered breathing: SDB)は循環器疾患のリスク因子として着目されており、SDBの診断・治療導入を適切かつ十分に行うため、本ガイドラインが策定されました。閉塞性睡眠時無呼吸(obstructive sleep apnea: OSA)患者では NO bioavailability 低下による血管内皮機能障害が存在することが報告されていること、持続気道陽圧療法(CPAP)後にOSA患者のFMD値が改善することが言及されています。
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糖代謝異常者における循環器病の診断・予防・治療に関するコンセンサスステートメント
日本循環器学会、日本糖尿病学会. 2020年3月20日発行 https://j-circ.or.jp/old/topics/jcs_jds_statement.htm
糖尿病と循環器疾患は密接な関係にあることから、両診療科にまたがるクリニカルプラクティスの現状と最新のエビデンスについての相互理解を深め、日常診療へ応用することが重要です。本コンセンサスステートメントは糖代謝異常者における循環器病の①診断 ②予防 ③紹介基準 の3つのパートから構成されており、動脈硬化性疾患のスクリーニング検査としてFMDが紹介されています。
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2023年JCS/CVIT/JCC ガイドライン フォーカスアップデート版 冠攣縮性狭心症と冠微小循環障害の診断と治療
日本循環器学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本心臓病学会. 2023年3月10日発行 https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2023/03/JCS2023_hokimoto.pdf
本ガイドラインは2008年に「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン」として日本循環器学会から発表され、2013年の改訂以降、10年ぶりの改訂となります。本改訂では冠攣縮性狭心症に関連する新たな疾患概念として、冠動脈閉塞を伴わない心筋梗塞(myocardial infarction with non-obstructive coronary arteries: MINOCA)と心筋虚血(ischemia with non-obstructive coronary artery disease: INOCA)の項目を記載が記載されています。また、病態・診断方法・治療方法のアップデートが行われ、FMD等で非侵襲的に末梢血管内皮機能検査を行うことで INOCAを予測できる可能性が言及されています。
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2020 年改訂版 川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関する ガイドライン
日本循環器学会、日本心臓血管外科学会. 2020年3月13日発行 https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2020_Fukazawa_Kobayashi.pdf
本ガイドラインは2003年に「川崎病心臓血管後遺症の診断と治療に関するガイドライン」として日本循環器学会から発表され、2008年、2013年の改訂以降、7年ぶりの改訂となります。本改訂では川崎病の最大の後遺症とされる冠動脈瘤(CAA)について、急性期におけるCAAの重症度をZスコアを用いて評価しています。また、川崎病遠隔期における血管障害の評価として、FMDを活用したエビデンスを報告しています。
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- 米国
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Assessment of flow-mediated dilation in humans: a methodological
and physiological guideline
≪ヒトにおけるFMDの評価:方法論的および生理学的ガイドライン≫
Dick H. J Thijssen, Mark A Black, Kyra E et al. American Journal of Physiology-Heart and Circulatory Physiology. 2011; 300(1):H2-H12. https://journals.physiology.org/doi/full/10.1152/ajpheart.00471.2010
最新の生理学的知見に基づき、FMD評価に関する最も適切な方法についてレビューがされています。
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